エポキシ樹脂

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第1節 エポキシ樹脂の超臨界分解

 住友ベークライト㈱の後藤ら1) は、超臨界水を反応溶媒として、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂硬化物のリサイクル技術について検討した。
試験条件は温度:400℃、水密度:0.5g/cm3、反応時間:10mとし、樹脂硬化物仕込み量は水:樹脂硬化物=10:1となる。
 結果、硬化剤種において分解率の差が見られ、E1の分解率は50%程度であったが、E2、E3の分解率は100%近い分解が確認できた。(表1)

表1. 硬化剤種による分解率
硬化系\原料 樹 脂 硬化剤 硬化促進剤 分解率 (wt%)
E1
ノボラック硬化
ビスフェノールA型
エポキシ樹脂
フェノールノボラック 2エチル4メチル
イミダゾール
50
E2
アミン硬化
2.2'-ジエチルジ
アミノジフェニルメタン
100
E3
酸無水物硬化
3メチルテトラヒドロ
フタル酸無水物
2エチル4メチル
イミダゾール
100

また、筆者ら2) は超臨界水中における水密度(0.2g/cm3・0.5g/cm3)の影響、酸触媒(0.098wt%H2SO4水溶液)アルカリ触媒(0.080wt%NaOH水溶液)の効果について検討した。
上記条件下においては、分解率はどれもほぼ100%であったが、水密度が高い方が明らかにフェノール類モノマー回収率が高い結果を得られた。
触媒としては、アルカリ触媒を用いた系で更にフェノール類モノマー回収率の向上が見られた。(表2)今後は分解率やモノマー回収率を更に向上させることを目的に、分解反応機構の解明を行う。

表2. 触媒による分解率・フェノール類モノマー回収率
触媒\結果 分解率 (wt%) フェノール類モノマー回収率 (wt%)
無添加 100 8.3
酸触媒 100 6.1
アルカリ触媒 100 12.5

実験フロー
実験フロー

【参考文献】