第2章 フェノール樹脂

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第3節 熱分解によるリサイクル技術

 京都市工業試験場の島村らは、フェノール樹脂廃棄物を加熱処理した際に生じる分解液を用いたエポキシ化合物の合成を行い、その硬化物の有効性を報告している。1) 2) 3) 4) 窒素雰囲気下600℃にて得られる熱処理液からノボラック型エポキシ樹脂を合成し、エマルション化したものを道路舗装用資材として評価した結果、動的安定性、耐摩耗性、滑り抵抗値が高くなり、また透水性能や空隙詰まり抑制効果が高く、排水性舗装のトップコート材としての有用性が認められた。 また、加熱処理して同時に得られるカーボン前駆体からカーボン焼成体、プラスティック複合材料等を得る技術を検討している。5) 6)

各反応温度におけるフェノール樹脂複合材料の分解率と反応時間の関係
Fig.1 Flow chart of recycling technology of paper base phenolic laminate wastes. 3)

参考文献