日立化成工業(株)の福澤ら1) は,不飽和ポリエステル樹脂 (UP) 繊維強化プラスチック (FRP) をFRPに再利用するリサイクルを目的として,溶解処理液を検討した結果を報告している。UP溶解率 100% を達成するための溶解処理液の触媒及び溶媒の種類を検討した。その結果,触媒としてはリン酸三カリウム水和物 (K3PO4・H2O) ,溶媒としてはジエチレングリコールモノメチルエーテル (DGMM) が良好であった。FRPをこれらを用いた処理液中で,常圧下,190℃,8h 処理した結果,UPがすべて溶解して,分解樹脂溶液,フィラー,ガラス繊維を分離回収した。
さらに,久保内ら2) はUPの硬化剤分布が腐食に与える影響を検討し,その際の処理条件は,30%硝酸水溶液,常圧下,80℃で,250h以下であった。
日立化成工業(株)の柴田ら2) は,UPのFRPを185Lの溶解槽で,処理液にリン酸三カリウムとDGMMを用い,常圧下,190℃で処理して,ポリエステル分解物,無機繊維,無機充填材を分離回収した。この技術は経済産業省の補助事業として開発した。
Comparison of chemical recycling methods of thermosets 2)
Process of FRP depolymerization and recovered materials 2)
参考文献