東京工業大学の久保内ら1) 2) は、ケミカルリサイクルを目的として、エポキシ樹脂として3種類、硬化剤として3種類の組み合わせで、化学構造の影響について検討した。その結果、処理条件はDDM(ジアミノジフェニルメタン)硬化ビスフェノールF型エポキシ樹脂では80℃、4mol/lの硝酸水溶液で約400時間であった。抽出化合物の結果からC-N結合の開裂とニトロ化が明確となった。
また、東京工業大学の久保内ら3) 4)は、より効率的に高付加価値のリサイクル材を得ることを目的とし、原料樹脂を粉砕して分解時間を短縮する方法、分解後の抽出物の分子量分布のピークに着目し検討した。 その結果、処理条件は、板状試験片より粉砕して粒径1mmまたは、0.3mm以下、80℃、4mol/lの硝酸水溶液とした。板上試験片150時間から粉砕試験片では50時間に大幅に短縮できた。高分子量側のピークに対応した成分でのリサイクル材が力学特性と熱的特性に優れることが分かった。
また、東京工業大学の海和ら5) は、臭素化エポキシ樹脂の硝酸によるケミカルリサイクルの可能性を検討した。 その結果、プリント基板に含まれる臭素化エポキシの有効利用、臭素化エポキシへのケミカルリサイクルの可能性を明確にした。難燃剤として活用が見込めることを明らかにした。
また、東京工業大学の久保内ら6) は、エポキシ樹脂の硝酸分解ケミカルリサイクルにおける硝酸のリサイクル利用を目的とし検討した。その結果、硝酸消費効率を68.7%に減少できた。
リサイクル品の作製と分解液(硝酸) のリサイクル方法 6)
参考文献